日商簿記2級の受験を考えている方。よくある質問が簿記2級って3ヶ月の勉強で受かるの?という質問です。就職、転職でも非常に有利になる資格ですし、取りたいと思ったらとにかく早く取っちゃいたいですよね。
結論、3ヶ月で合格することは可能です!
この記事ではそんなせっかちな皆さんに勉強戦略を提案します。(笑)
対策は以下の通り!
- 使用するテキストを絞り込む
- 購入したテキストを隅々まで読み込む
- わからないところは即ネット検索&YouTube検索
- 3ヶ月合格スケジュール
対策だけみるとありきたりですよね。それぞれの工程で意識すべきことをまとめました。筆者自身、実際にこの方法を徹底して、3ヶ月で独学一発合格を果たしたので、是非参考にしてください!
ちなみに当方、会計の学習は簿記2級がはじめてでした。
使用するテキストを絞り込む
テキストはこれじゃなければいけないという縛りはありません。
ただし、自分にあったものを選ぶ必要があります。
テキストの選び方
まずはテキスト選びから慎重に行いましょう。
こちらは皆さんのバックグラウンドによっても使用すべきテキストは異なります。
すでに簿記3級を所持していて、かつ実務経験のあるような方ならば、会計の感覚は身についているでしょうから、ご自身の肌にあったテキストを選ぶのが良いと思います。
逆に実務経験がなかったり、簿記3級も受験していない場合の方にはふくしままさゆきさんの著書をまず読んでみるのが大変おすすめです。こちらについては以下の記事で紹介しています。
絞り込む重要性
さて、こちらで大事なのは「絞り込む」というワードです。
私が見た試験受験者の中に、こういう方がいらっしゃいました。
少し早めに試験会場に着き、試験本番に数冊の参考書を机に広げ、ギリギリまであっちこっち見ているような印象でした。その方がその回で合格したかはわかりません。
ただ、その方は試験会場に知り合いがいたようで、会話が聞こえてきた際、「今回で3回目」という発言をされていました。
正直に言います。教材をあれもこれも見ていると、机もちらかっていて、頭の中も整理できないんじゃないかなと思いました。
教材は多く揃えても安心材料にはなりません。必ず必要最低限だけ揃えましょう。
購入したテキストを隅々まで読み込む
当たり前なんですが、試験に落ちてしまう方の多くが、これができていない可能性があると思います。以下のポイントをおさえて、正しい学習を行いましょう。
- まずは全体像の把握
- 個別論点の把握
- 個別論点の中のさらに細かい論点をチェック
それではそれぞれ詳しく見ていきましょう。
まずは全体像の把握
全体像の把握は本当に大事なことです。よくある悪い学習方法が、テキストの流れに流されるままに学習する方法です。
これが危険なんです。
全体像を把握せずに学習しても、一つ一つのトピックは頭に入っていくでしょう。しかし、そのやり方では必ず限界がきます。
トピックを大きな流れの中で関連付けることができないと、必ず「なんで?」「どうして?」という状況に陥ります。論点の違いを汲み取れなくなります。
どんなテキストを利用しても、まず一番大事なことは、全体像を理解することです。
簿記であれば、全体像というのは会計業務の流れのことを指します。
どんな仕事をするにしてもまずはその背景と目的を把握する必要があります。
簿記2級では様々な会計論点が登場しますが、すべて大きな業務の流れを把握した上で、なぜその論点が必要なのか説明できるように学習しましょう。
各個別論点の把握
業務の全体像を把握したら、どんな中分類のトピックがあるか、確認しましょう。
ざっくりとした分類ですね。
例えば
- 有価証券
- 棚卸資産
- 有形固定資産
- リース
- 税効果会計
- 連結会計
など。
これらの論点が、常に全体像の中のどこに位置する業務で必要になる知識か、頭の中をフォルダ整理してください。
個別論点の中のさらに細かい論点をチェック
「業務の全体像を把握→個別の論点とそれらの目的を把握」ときましたので、続いて個別論点の細かい内容を学習します。
なんとなくテキストを読むだけでは、見逃してしまう論点の違いも、このように最初から頭の中を整理することで、見逃さなくなります。
常にその業務がなぜ必要なのか、意識を張り巡らせましょう。
全体像をあらかじめ把握し、個別の論点が必要となる目的を理解していれば、学習の進捗を把握しやすくなります。
こうして、テキストを隅から隅まで読む意識を高めることができます。
また、自分が学習が足りていない論点を把握できるので、学習スケジュールも立てやすくなりますね!
わからないところは即ネット検索&YouTube検索
さて、テキストの使用方法はわかったと思います。
それでも、どうしてもテキストだけでは理解できないことはあると思います。
それはひとりひとりものの見方は違いますし、いくら共通の言語でも、少しの言い回しの違いや、理解度の相違によって、理解できないことは往々にしてあります。
ひと昔前なら、そのたびに違う本が必要だったかもしれません。しかし、現代を生きる皆様はインターネットをフル活用しましょう!
ネット検索で深堀
若い世代の方には言わずもがなかもしれません。
筆者がここで伝えたいのは、あくまでわからない、理解できない部分はピンポイントでネット検索しましょうということです。
書籍の場合、どうしても情報は限られます。詳しく書きたくても、書ききれないことはあると思いますし、著者も100%読者がどこで躓くか把握しきれているわけではありません。
でも、インターネットで世界と繋がっていれば、必ず同じ悩みを持つ人がいます。
あなたが日本人で最初の悩みをぶつけられる可能性のほうが低いでしょう。
それだけ多くの人がこの世には存在します。
筆者はテキストでも理解できない時はさっさとネット検索して、自分に理解できるように書いてくれている優しい文章を探します。
かっこつける必要はありません!理解が大事なので、優しい解説を探しましょう。(笑)
YouTubeも忘れずに
意外と忘れがちなのが、YouTubeです。
現代っ子はもしかしたらまずYouTubeで検索するかもしれませんが。(笑)
今となっては宝の山です。
先ほどおすすめした、ふくしままさゆきさんもYouTubeチャンネルをやられています。
会計士さんの良質な授業が無料で受けられるので、わからない論点があれば、必ずYouTubeもチェックしましょう。
過去問を実際に解きながら教えてくれるチャンネルもあります。
視覚と聴覚で学ぶと、脳の印象にも焼き付きやすいです。
要チェックですよ!
3ヶ月の合格スケジュールと戦略
最後に、3ヶ月で合格を目指すなら、スケジュールをしっかり意識しましょう。とはいえ、ずぼらな筆者はしっかりカレンダーを作ったわけではありません。
先に述べた、テキストの全体像、個別論点をまず把握することで、全体の分量感が把握できるはずです。
筆者の場合、初めてその分量を見たとき、商業簿記だけでもキツイ!と思いましたが、工業簿記もあるじゃないですか、、正直かなり焦りました。
最初に方針を決める
筆者の場合、まずやることとやらないことを決めました。
例えば、最後の1ヶ月は問題演習に充てる。という目標を立てました。
そうすると当たり前ですが、最初の2ヶ月でテキストを読み切る必要がありますよね。
最初の2ヶ月は問題集には触れていません。
(もちろんテキストのトピックごとの練習問題は挑戦しています。)
筆者は不定休で残業の多い会社に務めていたので、時間を捻出するのはとても難しかったです。それでも、2ヶ月でテキストを読み切ると割り切った目標を立てたことで、通勤時間やスキマ時間を縫ってやれば、何とかなりそうだなとイメージできました。
2ヶ月でテキスト最低2周
基礎は一度学んだ程度では定着しません。
エビングハウスの忘却曲線を必ず意識するようにしています。
要は何度も同じ知識に出会うことが大切なんですね。
私の場合、2ヶ月でテキストをちょうど読破することを目指したのではなく、2周は読み切りました。
つまりそうなると単純計算で1ヶ月でテキストを一周読破しているようなイメージです。
悩みすぎない
大抵のテキストは論点を学習したら練習問題があります。
当然ですが、練習問題はやってください。
問題はアウトプットの作業です。
インプットしてもアウトプットしなかったらその知識はすぐに陳腐化します。
しかし!問題に悩みすぎて時間を浪費してはいけません。
問題を解く際は制限時間を定め、考えすぎる癖をつけないようにしましょう。
解き方が不明であれば、すぐネット検索 or YouTube検索!
自分で悩んでいても答えはでません(笑)
3ヶ月という縛りのある皆さんは、とにかく効率よく個別の論点を総ざらいする必要があります。
それに、最初から試験の制限時間を考慮して、目安時間内に解く練習になり、時間感覚が身に付きます。
3ヶ月目はひたすら問題慣れ
試験1ヶ月前はアウトプットを繰り返して、知識を定着させましょう。
でもこれなかなかキツいですよ。
商業簿記と工業簿記がありますから、すべての過去問に手を出すのは不可能でしょう。
なので、過去問であれば何年前までのものやり切るというように具体的に決めておきましょう。
筆者の悲劇としては、仕事が繁忙期を向かえ、なんと過去問一個もできなかったんですね。
これは多分ほんとは良くないので参考にしないほうがいいかもしれません。(笑)
そんな中で、筆者は自分の自信を高めることを最優先にして、パブロフ簿記のテキスト&問題集を最初から最後までやり切ることを目標にしました。
過去問をやる時間は無くなってしまいましたが、結局、筆者の場合ふくしままさゆきさんの著書とよせだあつこさんのパブロフ簿記をやり切って自信にあふれる状態で試験に臨みました。
当時のマインドとしては、何をきかれても答えられるから過去問やってなくても自信ある!
というような感じでしたね。(笑)
脱!毎日やらなきゃマインド
先に言っておきます。当然毎日できるなら毎日やった方がいいです。(笑)
でも、先述した通り、筆者はなかなか毎日勉強ができませんでした。
筆者の場合、資格を早くとってしまいたいという気持ちと3ヶ月しか猶予がない状況だったので、毎日勉強してやる!と強く意気込んでいましたが、それが裏目に出てしまったんですね。
一日でも仕事都合で勉強できないと、とにかく焦るんです。そして焦れば焦るほど、モチベーションが下がり、、一日寝てしまった休日も。
要するに、強すぎる意思は逆効果なんですね。
筆者の場合、ある日あきらめに似た気持ちが出てきて、まあいいやってなりました。
本来の勉強の楽しみを感じて、知らなかったことを知ることができる楽しい気持ちにシフトすることができました。
試験前日の過ごし方
筆者的には睡眠をしっかり取るということを第一優先にしましたが、前日もしっかり勉強はしました。
個人的にはそのラストひと頑張りも意味があると思っています。
特に前日はもう一度全体像に立ち返って、各業務に求められる知識を総ざらいしておくことは大切だと思います。
そしてやはり苦手分野は確認しておくべきでしょう。
筆者は工業簿記が苦手だったのですが、前日の勉強が功を奏し、第5問は満点でした。
ラストひと頑張りをなめてはいけません。
頑張りすぎず、自信ついた!となるまで勉強してください。
試験当日の過ごし方
筆者は暗記系の科目なら当日も勉強するタイプです。直前に学んだことも出題されますからね。(笑)
でも簿記で不安なのは暗記系では無く、問題の読み解きの部分や、計算だったので、筆者は当日の勉強はあえてしませんでした。
逆に暗記部分に不安のある方は当日も少し学習しておくのは有益だとおもいます。
疲れない程度にしましょう。
筆者は昨日までの自分を信じて、リラックスして受験に臨みました。
最後まで諦めない
当然わからない問題がでてきて焦るシーンもありました。筆者から皆さんにお伝えできるのは、「焦った時こそ冷静になって必ずわかるはずだ。」というマインドを持ってくださいということです。
筆者の場合、制限時間がせまってしまい、あと5分という時に諦めそうになったんですが、鬼滅の刃の炭治郎の声が聞こえてきたんですね。
あの人、命を燃やして諦めないじゃないですか。
3ヶ月合格を目指す方は、最後の1秒まで絶対あきらめちゃだめですよ。
1点の差が合否の分かれ道です。
筆者は炭治郎の声が聞こえたときに諦めずに冷静に答えを導きだせました。
しかもその回答は合ってました。
試験は体力を消耗します。でもほんの数時間。絶対に受かるつもりで命を燃やしてください。
まとめ
戦略というには根性論だったかもしれませんね(笑)
でも3ヶ月で合格を目指すなら、正しい学習方法とスケジュール管理とマインドコントロールがとても重要です。
実際に筆者がなんの知識もない状態から、3ヶ月という学習期間で合格しています。
ですので、3ヶ月で合格することは可能です。
あとは、しっかりと目標を立て、ガッチガチに計画を作らなくても良いので、目標を着実にクリアしていきましょう。
あらゆる資格について、独学は最強の学習方法ですが、もちろんスクールに通うのもアリだと思います。最近では様々な資格を定額で学習できるサブスクサービスなどもあるようです。
皆さんの理想の学習方法にあわせてご自身で判断してください!
モチベーションを落とさず、資格学習を楽しんでいきましょう!
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